燃費計を作りました! |
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この度、燃費計なるものを作ってみました。 燃費計とは、走行中の速度と燃料噴射量から、現在の燃費をリアルタイムで計算して表示するものですが、カルタスにも是非付けてみたいと思い、作ってみました。 燃費計作りのキッカケになったのは、トランジスタ技術という雑誌でした。この雑誌の2005年4月版に付録としてワンチップマイコンを搭載した基板が付いていました。おまけに開発ツールのCD-ROMまで・・・。早速購入して、無い知恵を絞りながら燃費計回路およびソフトの作成に取り掛かりました。 まずはハードウェアの回路設計から。 燃費を計算するには車速パルス信号とインジェクタ信号が必要です。これらの信号をECUから拝借し、基板へ持ってきます。しかし、これらの信号は直接マイコンへ入力するわけにはいきませんので、信号のノイズ除去や電圧変換などをしてマイコンに入力します。実はこのノイズ除去や電圧変換回路に一番苦労してしまったのです・・・。(オシロがあれば楽だったのかも?) 次にソフトの設計です。 車速信号もインジェクタ信号もマイコンへは割り込み信号として入力します。で、この割り込み入力で内部タイマーの値をカウントして、車速や走行距離、インジェクタの燃料噴射量を計算して、燃費を計算します。 この手のソフトは昔はアセンブラで書いていたのですが、やっぱりC言語は楽チンですね。 また、使用したマイコンは、ルネサステクノロジ社のR8C/Tinyというマイコンです。マニュアルや統合開発環境などが充実していて、スムースに開発できました。 |
燃費表示モード |
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表示モードは三つ作りました。 まず上の写真は燃費表示モードです。4行あるLCDに上から順に、現在の燃費、過去1分間の燃費、過去10分間の燃費、今までの燃費、を表示します。 表示は1秒毎に更新しますので、一番上の現在の燃費は、運転状態によってコロコロ値が変わります。停止中などは燃料噴射ばかりで走ってませんので燃費はゼロ! 逆にエンジンブレーキなどで走っているにもかかわらず燃料噴射をしていないときは、燃費は無限!となりますが、表示は99.9としました。 ちなみに、上の写真ではトータル燃費は11.3ですね。 走り出したばかりに撮影したので、ずいぶん悪い値ですね・・・。 |
通常表示モード |
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これは通常表示モードです。 表示するのは、現在のスピード、走行距離、使った燃料の量、今までの燃費です。 走行距離は、単純に車速信号のパルス数をカウントして計算しています。 燃料の量は、インジェクタ信号がオンになった総時間から計算しています。AA34カルタスの整備マニュアルによると、インジェクタは15秒間オンで59〜72ccの燃料を噴射するそうで、この値を基準として計算しました。しかし、この値から計算した燃費と、満タン方で計算した燃費があまりにかけ離れていたので、基準値を色々調整して最適な値を求めました。 |
燃費グラフ表示モード |
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これは燃費をグラフにして表示したものです。 過去14秒間の瞬間燃費を右から左へ横スクロールして表示しています。黒い棒が高いほど燃費が良い表示です。 左端の4行の数字は、上から現在の燃費、過去1分間の燃費、過去10分間の燃費、今までの燃費です。 右端の4行の数字は、棒グラフの縦軸数字です。棒グラフが上まで一杯になると燃費は32Kmとなります。棒グラフが丁度真ん中のときは、燃費は16Kmとなります。 このグラフ表示、1秒毎に更新されるので、運転中、非常に気になります。 アクセルのちょっとした動きで、棒グラフがぐいぐい動くので面白い、というかプレッシャーがかかります。 上の写真ではグラフの中央付近で、燃費が良い(グラフが高い)部分がありますが、これはギアチェンジの瞬間です。ギアチェンジをするとき、一瞬ですがエンジン回転が落ちて燃料噴射が減少します。車速はほとんど変わりませんので、計算上は燃費がグイっと上がります。面白いですねぇ。 |
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こちらはエンジンブレーキを使って車速を下げ、停車したときのグラフです。 エンジンブレーキ中は燃料噴射しませんので、燃費は非常に良くなります。しかし停車してしまうと、車が進まないのにアイドリングの燃料を消費しますので、燃費は最悪(ゼロ)となります。 |
最後に |
燃費計を使ってみると、燃費ってこんなに敏感なんだなぁ、と感じさせられます。 同じ速度で走るときでも、4速ギアで走るのと5速ギアで走るのとでは明らかに燃費が違います。また、ちょっとした坂道や向かい風などでも燃費が変化します。 いったいどういう運転が燃費に一番良いのかを現在研究中です。 機会がありましたら、燃費向上のテクニックを紹介したいと思います! |